主文の後回し

2018-08-01

 刑事裁判の判決で,死刑判決が下されるときに主文が後回しになることがあります。  通常は,刑事事件の判決言い渡しは,「主文。被告人を懲役○年に処する」「主文。被告人は無罪。」というように,冒頭で判決主文が告げられ,その後に判決理由が述べられるのが通常です。
 ところが,死刑判決だけは,主文を冒頭に言い渡さず,判決理由から述べ,最後に主文,「被告人を死刑に処する」などとすることが良く行われます。
 これは法律などで順番が決められているわけではなく,単なる慣行です。冒頭で死刑を言い渡されると被告人が動揺してしまうからなどと言われることがありますが,明確な根拠はありません。
 
 従って、死刑求刑されているときに理由から判決が始まってしまうと,いずれにしても死刑判決であるということが分かってしまうのです。
ただし,あくまで慣行ですので,冒頭に死刑の言い渡しを行うケースや理由から述べた後に無期懲役の判決となるケースも少なからずあります。 
 
 これが控訴審における判決でも同じように慣行があります。
 第1審で死刑に対して被告人が控訴し控訴を棄却する場合(第1審の死刑維持),第1審の無期懲役の判決に検事が控訴して破棄死刑判決となる場合などに,主文を後回しにすることがあります。

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