公判前整理手続は結論を左右する大事な手続

2016-01-14

 公判前整理手続が長期化しており,対策を講じるべく最高裁が検討している。そのような報道がありました。
 このような傾向には強い危惧感を感じます。ただでさえ公判前整理手続を急がせようとする裁判官が少なくない中,最高裁がそのような方針を出せば,現場の裁判官はもっと締め付けようとしてくるでしょう。
 公判前整理手続は,裁判員裁判を実施するにあたって設けられた制度です。それまでの刑事裁判は重大否認事件ともなれば月1,2回のペースで数年掛けて行われていました。しかし市民の方がそのような審理を行うことは困難であることから,裁判員裁判は集中的に連日行われます。
 裁判を集中的に行うためには,何が争点でどのような証拠を取調べるかということを予め決めておかなければなりません(たとえばある証人の証言を聞いて,別の人の話を聞きたくなったとしてその時点でスケジュールを調整していては連日行うことはほぼ不可能でしょう)。
 公判前整理手続を弁護人の視点からみれば,どのような主張をするか,どのような証拠を取調べるべきかの方針を裁判が始まる前に決定しなければならない,ということを意味します。 
その方針決定のために,捜査機関が集めた証拠を検討し,証拠の開示を求め,独自に証拠収集もして,依頼人と打ち合わせる必要があります。
 この公判前整理手続における弁護活動が公判の帰趨を左右することになります。従って,勝つためにできる限りの弁護活動をしておかなければなりません。公判になってからあれもやっておけばよかったと後悔しても遅いのです。その結果公判前整理手続に時間を要することは現行制度を前提とするとやむを得ない面があります。
 公判前整理手続に付される事件を闘う方は,じっくり腰を据えて取り組んで下さい。

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