共犯者の供述の信用性

2018-05-08

 今年の6月から司法取引制度が施行されることになります。
 日本で施行される司法取引制度は,他人の犯罪の関与を供述することによって,利益を得る(不起訴になる、求刑が下がるなど)制度です。
 この制度について,5月3日,最高裁長官は,「共犯者の供述の信用性は、これまでも慎重な検討が必要だった。導入後も議論を深めることが欠かせない」と指摘したと報道されていました。

 この共犯者の供述の信用性に慎重な検討が必要というのは,人は自分の罪を軽くするために,他人を巻き込むことが少なくないからなのです。 
 例えば2人で話し合って犯罪を実行したにも関わらず,BさんがAさんから指示されて従っただけでAが主犯だと供述する場合もあれば,Aさんは全く犯罪に関わっていないにもかかわらず,Aさんから指示されたと供述してしまう場合もあります。
 特に重大事件になればなるほど刑が重くなるため,少しでも軽くなろうと嘘をついてしまうのです。
 過去にも,共犯者の虚偽の供述によってえん罪が多数生まれてきました。

 そのため,共犯者の供述だけで有罪とすることには慎重な検討が必要である,というのが法律家の基本的発想となっているのです。
 司法取引は、その運用を間違えれば,えん罪を生みかねない危険を孕んだ制度なのです。
 

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