再犯可能性について

2017-10-06

 刑事裁判などで,再犯可能性が話題になることがあります。 
 例えば,検察官が論告において,被告人は再犯に及ぶおそれが高く厳罰に処すべきである,などと主張したり,弁護人が,再犯のおそれはない,と弁論したりすることがあります。
 
 ここでいう再犯とは,罪を犯した人が再び罪を犯す,ということを意味します。
 一般に再犯する人の割合というのは,どのような人をどのような対象とするかに難しい問題があります。
 
例えば,刑務所にいる人の中で,再入所者の割合は平成27年で約59%になります(これは刑務所を出た人の59%が再犯するという意味ではありません)。

 再犯の難しいところは,重大な犯罪であればあるほど再犯するという単純なことではないというところにあります。
 罪名で言うと,覚せい剤などの薬物犯罪や窃盗罪などは再犯率が比較的高く,殺人などの重大犯罪は必ずしもそうではありません。

 刑事裁判で審理をする際に,罪を犯した人が,再び罪を犯さないためにはどすればよいか,あるいは,この人はまたやってしまうのではないか,ということを社会全体として考えることは必要なことです。
 しかし,刑を決めるにあたって,ある人が将来再犯するか,しないか,ということは,予想にすぎません。将来の環境や制度にも左右されるでしょう。
 そのような不確定な事由によって,刑期が大きく左右されることは,やったことに対する責任ということから離れてしまうことになります。

 そのため刑事裁判では,再犯可能性の有無ということを検察官であれ,弁護人であれ過度に主張することは必ずしも有効な活動とはいえないのです。 

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