刑事裁判の証人尋問 書面や物を示せる場合

2017-10-23

刑事裁判の証人尋問で嘘を証言する証人に決定的な証拠を突き付ける。ドラマなどで見たことがあるような場面だと思います。
しかし,実際の刑事裁判では,証人尋問で証人に対して自由に書面や物を示せるわけではありません。
刑事訴訟規則に定められたルールに従って示さなければなりません。

示せる場面は3つです。
① 書面や物に関してその成立,同一性,その他これに準ずる事項について尋問する場合で必要があるとき
② 証人の記憶を喚起する必要があるとき
③ 証人の供述を明確にする必要があるとき
いずれの場合も,示す書面や物を,事前に相手方である検察官に閲覧する機会を与えなければいけません。
②記憶喚起,③供述の明確化の場合は,裁判長の許可を受ける必要があります。
そして,②記憶喚起の場合は,証人自身の供述調書を示すことはできないとされています。
なお,③供述の明確化の場合は,単に示すことに限らず,また書面や物に限らず様々なものを利用できます。例えば凶器の模型を用いて,実際に証人に動作を再現させるなどです。

証人に書面や物を示すことで,証人が記憶に従って証言するのではなく,その場で見せられた書面や物に影響を受けて証言するなどの危険があります。
このため,このように刑事訴訟規則で書面や物を示せる場合とそのルールが定められています。

書面や物を使って適切に証人尋問を行い,また分かりやすい証人尋問を行う。
あるいは検察官が書面や物を使うことで証人に不当な影響を与えるのに対して,適切に異議を申し立てる。
そのためには,弁護人として,刑事訴訟規則に定められたルールを正しく理解することが必須だと言えます。

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