外為法違反の刑事事件

2017-07-31

 外国との取引や貿易を規律する法律として,「外国為替及び外国貿易法」という法律があります。この法律にも,罰則が定められている箇所があり,ここに定められている義務に違反すると,刑事事件となり得ます。

 法律の構造は複雑なのでここでは割愛しますが,経済産業大臣の許可を受けずに,特定の国や地域に対して政府の定めた特定の物品の輸出や取引をすることが禁止されています。日本の会社等が許可を受けずにこのような行為を行うと,刑事処罰の対象となります。
 処罰されている事例で典型的なのは,日本の会社が,北朝鮮に対して日用品などを輸出する事例です。注意が必要なのは,直接に北朝鮮に向けて輸出を行う場合でなくても,中国等の他の国を経由して最終的に北朝鮮へ向けて輸出を行う場合でも規制の対象となることです。

 現実に日本の会社側(代表者や営業担当など)が刑事責任を負うか否かについては,現実的には,実際に当該取引が禁止されている取引にあたっているとの認識があったのかどうかがポイントになります。たとえば,上の例でいえば,他国を経由して北朝鮮に対して品物が送られたときに,他国との取引の際に北朝鮮へ物品が送られることを認識していたのかという点が問題となります。
 
 仮に有罪となった場合の処罰の見通しは,会社の代表者等が執行猶予付きの懲役判決および罰金(またはそのいずれか)となり,会社自身も罰金刑を科されている例が多く見られます。
 なお,この刑事罰とは別に,輸出禁止の行政処分も発されるのが通常です。

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