当番弁護 逮捕後の勾留を認めさせず,釈放

2014-11-12

昨日,当番弁護士制度で派遣されご依頼を受けた傷害事件について,裁判官に検察官の勾留請求を却下させました。
ご本人は逮捕後4日目で釈放され仕事に復帰されました。
傷害事件で逮捕から2日目夜に当番弁護士として派遣され初めて接見しました。翌日,被害者の方と会い被害届の取下書を作成して頂けました。
しかし,勾留を請求した検察官は傷害の重さを重視するなどしており,被害届の取り下げがあっても勾留して捜査するとの考えでした。
取下書の他,進行中の仕事があり一日も早く仕事に復帰しなければならない事情を資料としてまとめ,裁判官と面談し提出しました。

今日は,当番弁護士制度についてお話しします。

当番弁護士制度は,逮捕,勾留された方に対して,弁護士会が初回無料で弁護士を派遣する制度です。
現在,国選弁護は,起訴される前(捜査段階)においては,勾留がなされた後の一定の重さの罪に限って対象とされています。
逮捕されてから裁判官が勾留を決定するまでの約3,4日間は国選弁護はつかないことになります。
国選弁護がつかない間や対象外事件であっても,弁護士の援助や選任を受けられるよう各弁護士会が用意している制度です。

1990年に大分県弁護士会が全国に先駆けて開始し,以降全国の各弁護士会で運用されています。
当番弁護士制度開始のきっかけといわれるのが,大分で起きた殺人事件です。
当時は起訴前の捜査段階には国選弁護もありませんでした。
逮捕され捜査段階で弁護士がつかない間に虚偽の自白調書が作成されてしまいました。
一審で有罪とされて無期懲役判決を受け,控訴審で完全無罪判決を得るまで逮捕から13年もかかった事件です。
この事件の詳細や弁護団の尽力についてご興味がある方は,次の書籍をご参照下さい。
「完全無罪へ 13年の軌跡―みどり荘事件弁護の記録」(現代人文社)

当番弁護士制度は,逮捕直後からの弁護活動の重要性を教訓として運用されている制度です。

 

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