日本版「司法取引」の始まり

2018-06-10

6月1日、刑事訴訟法改正により、日本版の「司法取引」が始まりました。

この制度は
「特定の財政経済犯罪及び薬物銃器犯罪(法350条の2第2項各号の「特定犯罪」)について、検察官と被疑者・被告人が、弁護人の同意がある場合に、被疑者・被告人が、共犯者等他人の刑事事件の解明に資する供述をし、証拠を提出するなどの協力行為を行い、検察官が、その協力行為の見返りに、被疑者・被告人に有利に考慮して、これを不起訴にしたり、軽い罪で起訴したり、軽い求刑をするなどを内容とする「合意」をすることができるとし、このような両当事者間の協議・合意を通じて、他人の犯罪行為の訴追・処罰に必要な供述証拠等を獲得しようとするもの」
です(刑事訴訟法350条の2以下)。

「取引」という名称からは「自分から検察官に取引を持ち掛ければ刑が軽くなるのでは」と期待する方もいるかもしれません。

しかし、この制度は、すべての犯罪が対象となっているわけではありません。組織的な詐欺や贈収賄、財政経済犯罪等が対象とされています。
また、ご自身のかかわった犯罪が対象になる場合にも、メリットばかりではありません。
特に、自分の刑を軽くしたいばかりに、虚偽の自白までしてしまう可能性があります。あるいは、自分の刑を軽くするために、他の人に罪をなすりつける供述をする可能性があります。つまり、えん罪につながる可能性がある制度です。
また、検察官との間で、「検察官の求刑を軽くする」という合意をする場合には、そもそも合意に応じない場合にどのくらいが量刑の相場なのかが分からなければ、応じるメリットがあるかどうかの判断を誤る危険もあります。

安易に合意に応じることは非常に危険です。
見通しについて、刑事事件の経験が豊富な弁護士に、今後の見通しについてしっかりと相談することが大切です。

Copyright(c) 2014 東京ディフェンダー法律事務所 All Rights Reserved.