殺人事件の量刑

2018-05-14

 殺人というと重大犯罪だと思われるでしょう。
 実際,刑罰を定める刑法の中でも,殺人は最も重い部類の刑期を定めています。
 刑法199条では,人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する,と定められています。
 ただ,この法定刑の定め方からいっても,下限は懲役5年(情状酌量などがあれば懲役2年6月になります)から,上限は死刑まで,とても幅広い刑期となっています。
 
 なぜこのような幅広い刑期が定められているかというと,一口に殺人といっても,様々な態様があるからです。
一般に,無差別殺人や,金銭トラブル,保険金目的,性的目的のような動機で行われた殺人は,刑が重くなります。他方軽い部類なのが,ケンカ(特に被害者にも落ち度があるようなもの)や,介護疲れによる殺人です。
介護疲れによる殺人は,執行猶予となることも相当数あります。
 このように同じ犯罪でも,その類型によって,量刑の傾向が異なるのです。

 刑罰は,やったことに対する責任を問うものです。
 従って,どのような動機で行われたのか,保険金目的のようなおよそ正当化できな理由で殺人を犯したのか,介護疲れのようにやむにやまれず起こしてしまったのかによって,責任の度合いも異なると考えられているのです。

 殺人事件は,裁判員裁判として審理され,一般市民も参加して刑期が決められることになります。
 実際には,同じような類型で過去に裁かれた事件の量刑傾向(グラフ)などを参照しながら,判断していくことになります。

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