殺人未遂の裁判員裁判 心神耗弱で執行猶予に

2016-03-23

当事務所の弁護士が担当した裁判員裁判の活動について報告させていただきます。

事案は、依頼者がご家族の首を包丁で切りつけたり、金づち等で頭を殴ったりしたという殺人未遂でした。
依頼者の方には、精神疾患での病院への通院歴等もなく、警察官や検察官は、依頼者の責任能力には問題がないと判断していました。

しかし、弁護人としては、依頼者との面会を通じて、何らかの精神障害があるのではないかと感じたため、そのことを検察官に伝えましたが、捜査の段階では精神鑑定は実施されませんでした。
(捜査段階では精神鑑定を実施するかどうかは検察官が判断します。)
「精神鑑定」とは、なんらかの精神障害が事件に影響していると疑われるような場合に、精神科医に診察や検査等をしていただき、その影響の有無や程度の意見を聞く、というものです。
起訴後、弁護人が改めて精神鑑定の必要性を裁判所に伝えたところ、精神鑑定が実施されることになりました。

精神鑑定の結果を受けて、弁護人は心神耗弱を主張したのに対し、検察官は責任能力には問題ない、という主張を維持しました。
その後、手続が進んでいく中で、検察官は、心神耗弱を争わないという方針に変わった結果、争点は量刑(どのくらいの刑がふさわしいか)のみとなりました。

殺人未遂事件は、裁判員裁判の対象事件です。
裁判までの間、執行猶予となっても問題ないことを裁判員や裁判官に分かりやすく伝えるため、釈放後にどこに行くのか等の環境調整を行いました。
そして、裁判では、精神鑑定をされた精神科医の先生のほか、臨床心理士や社会福祉士の方にも出廷していただきました。
その結果、判決では、心神耗弱が認定され、執行猶予となりました。

依頼者に精神疾患の通院歴等がない場合、精神障害の有無やその事件への影響に気付くことができるかどうかは、弁護士の知識や経験によるところも大きく、見逃されたままとなっている事案も少なくない、と言われています。
当事務所の弁護士はいずれも、精神障害がある方の刑事弁護を多数担当してきた経験がある他、日本弁護士連合会で責任能力に関する委員会に所属したり、弁護士会で責任能力に関する研修の講師を務めたりしています。
責任能力が問題となる刑事弁護の経験が多数ある弁護士をお探しの方、当事務所までご相談ください。

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