証拠の同意,不同意とは?

2015-10-02

 刑事裁判が始まると,検察官は有罪の立証に必要な証拠書類や証拠物の取調べを裁判所に求めます。
 検察官や警察官は,起訴されるまでの間に,被疑者や被害者,関係者などを取調べて供述調書という書類を作成したり,あるいは現場などから証拠物を押収したりして証拠を集めます。
 この捜査機関が集めた証拠は,自動的に裁判で使用されるわけではありません。
 捜査機関が集めた証拠の中から,検察官が有罪の必要な証拠を選別し,裁判所に取調べるよう求めるのです。
 このとき,裁判所に提出する前に,弁護人にまず開示されます。
 弁護人は,その証拠に同意するか,不同意にするかの意見を決めなければなりません。
一般的に(例外はあります)書類の場合には,弁護人が不同意といえば,そのままでは検察官は裁判所に証拠書類を提出することができません。これを刑事裁判の世界では,伝聞法則といいます。
 伝聞法則を簡単に説明すると,捜査機関が収集,作成した書類に書かれていることは真実かどうかは分かりません。そこで弁護人が同意しない限り証拠とすることができない,というルールです。
 不同意とされた検察官は,その書類に書かれていることを立証したいわけですから,書類の代わりにその書類の作成者の証人尋問を請求することになります。
 そうすると,法廷に証人が出てきて弁護側もその証人に反対尋問をすることができます。つまり証拠の同意,不同意とは,反対尋問をする機会を得るためのものでもあるのです。

 他方で証拠物の場合には,物に対して尋問をするということはあり得ませんから,その事件に関連し,かつ,判断するのに必要であると裁判所が考えれば採用されることになります。

 証拠書類の場合,弁護人が同意してしまえば,その内容を吟味する機会がなくなってしまうので,その書類に書かれたことが事実であるとして審理される可能性が高くなります。
 検察官が提出している証拠ですから,弁護側にとっては不利な事実です。
 従って,証拠に同意するかどうかは慎重に判断しなければならないのです。

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