逮捕後の取調べにおける身上経歴等の供述調書

2018-11-05

刑事事件を犯したと疑われて逮捕された場合,すぐに取調べを受けることになり,その内容について供述調書が作成されます。
取調べを受ける内容は,疑われている刑事事件に関する内容だけではありません。
自分の生い立ち,学歴,職歴,家族関係,生活状況,前科前歴といった身上経歴等についても取調べで聞かれ,その内容について供述調書が作成されます。

逮捕された場合,すぐにこうした身上経歴等についても取調べを受けて,供述調書が作成されるのが一般です。
身上経歴等の内容について,一見,刑事事件と関係がないように思うものであっても,刑事事件の経緯や動機に関わるような内容となることがよくあります。
刑事事件に関係がないと思ってちゃんと確認しないまま作成に応じた供述調書の内容が,不利な証拠となってしまうことがあります。

取調べを受けて作成された自分の供述調書は,自分の刑事裁判では原則として証拠となり,争えないと言われます。
それは,刑事訴訟法において,自分の供述調書について,不利益な事実の承認を内容とするものについては証拠とすることができるという規定になっているためです(刑事訴訟法322条1項)。
しかし,身上経歴等の供述調書については,こうした不利益な事実の承認を内容とするものではないとして,証拠能力自体を問題とすべきです。
そして,身上経歴等についても,警察官・検察官が作成した供述調書の文章ではなく,法廷において自分の言葉で直接話しをすることが重要です。

直接話をすることで,これまで誠実に人生を送ってきたこと,あるいは前科前歴があったとしてもすでに更生を果たして生活を送ってきたことなど,不当な偏見等がないよう,適切に事実を見てもらえるようにし,裁判員や裁判官に伝わるようすべきです。
弁護活動として,身上経歴等についても,刑事訴訟法の正しい理解や,法廷で直接話をしてもらうという意識が重要だと言えます。

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