黙秘権の保障と取調べ可視化

2017-05-17

 何人も、自己に不利益な供述を強要されない、と我が国の憲法は定めています。これを一般化したものが、「黙秘権」といわれるものです。

 直感的には、自分が有罪ならきちんと白状すべきだ、と思うかもしれません。しかし、当然のことながら、供述義務を認めると警察官や検察官による追及はより一層激しくなります。真実はやっていない人に対してもです。私たちは、真実はやっていない人が、捜査機関の暴力や拷問などの違法な取調べにより嘘の自白をして冤罪の被害者となってしまった歴史を知っています。
 黙秘権は、私たちの自由を守るために、必要不可欠な権利なのです。
 この黙秘権があってもなお、検察官や警察官は、その権力を振りかざして、容疑者に対して厳しい取調べをし、(その容疑者が事件を起こしていても、無実であっても)容疑者に「自白」を迫ってきました。しかし、最近は、そのような自白の強要を避けるための制度が少しずつ整ってきました。
 その一つが、取り調べの可視化です。つまり、警察官や検察官の取調べを録画して、見えるようにするものです。録画したデータは、後で弁護人に対しても開示され、問題があれば厳しく指摘されるでしょう。録画下の取調べでは、警察官や検察官は、違法な取調べをしにくくなる効果があります。

 私たちは、捜査機関が取調べをして自白をさせることを過大視することは適切でないと考えています。それは、真実やっていない人が嘘の自白をしてしまう圧力にもなり得るからです。私たちは、取調べがきちんと録音録画されることを求め、無実の依頼人が嘘の自白をしないよう、最大限の援助をします。

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