捜査弁護に強い弁護士

きちんとした弁護士を探すのは簡単でない

インターネットで検索すると,刑事事件専門を掲げる法律事務所がいくつも出てきます。刑事事件に一生懸命取り組んでいる弁護士もいれば,結果的に高額な費用を請求する弁護士,ほとんど経験がない若い弁護士,検察官の感覚が抜けないヤメ検弁護士など,私たちから見ると頼むべきでないような法律事務所があるのも確かです。
 
 そのような中で一般市民の方がきちんとした弁護士を探すのは簡単ではありません。最低限のこととして,複数の弁護士に意見を聞くことをお勧めしています。
 
 刑事事件は,大きく捜査と公判(裁判)に別れています。警察官や検察官が捜査をして起訴するかどうかを判断し,起訴されれば裁判が始まることになります。
 捜査弁護と公判弁護では,やるべきことは全く異なります。刑事弁護士に求められる活動も違います。

 本日は捜査弁護に強い弁護士とはどういう弁護士か,ということについて考えてみたいと思います。

捜査弁護の勘所

 捜査弁護の特色は,
① 時間が限られている
② 情報も限られている
という点にあります。
 たとえば被害者と示談をしたいときにも,約20日間という限られた時間の中で示談をまとめなければなりません。
 また1日でも早く身体拘束を解くための活動も時間との闘いです。
 従って,弁護士に求められるのは,迅速かつ身軽に動けること,そして交渉能力です。
 被害者,関係者,検察官,裁判官など,交渉相手は事件により様々です。
 次に,情報が限られているという点です。捜査段階では,警察官や検察官が捜査した証拠などは原則見ることができません。ほとんどのケースで教えてくれることすらありません。限られた情報の中で,捜査の状況を推知し,的確に見通しを立てなければなりません。弁護士に求められるのは,決断力,捜査の伸展についての知識,処分の見通しなどです。いずれも一定の経験が求められるでしょう。

 そして最後に,逮捕されている人,ご家族から信頼されることです。
 突然の逮捕で,何をどのようにして良いか不安になります。そのような状況では,捜査に対してきちんと対峙することができなくなってしまいます。唯一の味方である弁護士が信頼できないと,なかなかうまくいきません。
 
 このような弁護士に求められる能力を,依頼しようとする弁護士が持っているのかどうかをきちんと見極めましょう。
 
 

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