事件別:危険ドラッグ(脱法ドラッグ)

 

【危険ドラッグ(脱法ドラッグ,危険薬物)事件のポイント】

① 単純な所持や使用も、処罰されうる
② 違法薬物でないと確信していた場合、処罰されない場合がある

 

―どういう行為が罪になるの?―

「危険ドラッグ」「危険薬物」「脱法ドラッグ」などの名称は、法律上に定義があるわけではありません。一般的には、覚せい剤や大麻などではないにもかかわらず、それに近い作用を持つような薬物であると捉えられることが多いでしょう。

日本において取扱が刑事処罰の対象となるのは、「医薬品医療機器法」に基づいて厚生労働大臣が指定した薬物(「指定薬物」といいます)の取扱です。規制の対象となる行為は、薬物の製造・輸入・販売・授与・所持・購入し・譲り受け・使用です(医療上の用途である場合を除く)。近年までは所持や使用は規制の対象ではありませんでしたが、法改正により処罰の対象となりました。
なお,従前は,「薬事法」により規制がなされていましたが,法改正により法律名称が変わり,「医薬品医療機器法」により規制されています。

医薬品医療機器法

第76条の4
指定薬物は、疾病の診断、治療又は予防の用途及び人の身体に対する危害の発生を伴うおそれがない用途として厚生労働省令で定めるもの(以下この条及び次条において「医療等の用途」という。)以外の用途に供するために製造し、輸入し、販売し、授与し、所持し、購入し、若しくは譲り受け、又は医療等の用途以外の用途に使用してはならない。

第83条の9
第76条の4の規定に違反して、業として、指定薬物を製造し、輸入し、販売し、若しくは授与した者又は指定薬物を所持した者(販売又は授与の目的で貯蔵し、又は陳列した者に限る。)は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

第84条26号(第76条の4の規定に違反した者(前条に該当する者を除く。))
三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

 

―問われるのは医療品医療機器法(薬事法)違反だけですか?―

医療品医療機器法(薬事法)上の指定薬物を違法に取り扱っただけであれば、問われるのは同法違反のみですが、危険ドラッグ・脱法ドラッグの使用は、他の犯罪と無縁ではありません。

特に問題となっているのが、危険ドラッグ・脱法ドラッグを使用しながらの運転により交通事故を起こしてしまった場合です。薬物の影響下で交通事故を起こして相手を死傷させた場合、「過失運転致死傷罪」に問われるのはもちろん、薬物の影響で正常な運転が困難な状況に至っていると判断された事件については、「危険運転致死傷罪」が成立する可能性があります。

危険運転致死傷罪に当たるようなケースで人を亡くならせてしまった場合、裁判員裁判の対象となる重大事件となり、1年以上20年以下の有期懲役に処されることとなります。

そのほか、薬物の影響下で傷害事件などを起こしてしまった場合も、処罰される場合が多いと考えられます。

 

―事件を争える場合はあるの?―

危険ドラッグ・脱法ドラックを所持・使用したという医療品医療機器法(薬事法)違反事件でも、事件当時、規制されている違法薬物であったという認識がなかったのであれば、罪は成立しません。

もちろん、単に合法だと思い込んでいたというだけで責任を免れるのは難しいと考えられます。この種の薬物犯罪においては、当該薬物が、少しでも違法な物かも知れない、程度の認識があれば犯罪が成立してしまいます。

しかし、様々な事情から違法薬物ではないと確信していた場合、犯罪の成立を争うことは十分可能です。

また、危険ドラック・脱法ドラッグを所持・使用していたことが事実であっても、警察官などの捜査に重大な違法がある場合には、処罰されないことがあります。

 

―弁護士を選任するメリットは?―

事実を認めている事件であれば、一刻も早い身体拘束からの開放を目指し、できるだけ軽い刑の獲得を目指します。保釈の請求や、情状をよくするための資料収集などは当然の活動です。事実を争う事件であれば、逮捕されている段階では裁判にならないよう活動し、裁判になった場合には事実を徹底的に争い、無罪判決を目指します。

危険ドラッグ・脱法ドラッグ事件は、近年規制が厳しくなっている分野であり、また法律も覚せい剤等の薬物事件に比べ複雑になっています。

危険ドラッグ・脱法ドラッグ事件には、弁護人の援助が不可欠です。

取扱事例 -医療品医療機器法(薬事法)違反での不起訴事例-

■ 事案
指定薬物を含む物品を,販売目的で貯蔵していた事件。
指定薬物の販売目的や,指定薬物が含まれているとの認識はなかったとの主張をした事案。

■ 活動/処分
逮捕後,弁護人に選任されました。
頻繁に接見し,事実関係を詳細に聴取し,接見以外にも必要な事実調査を行いました。
その上で,捜査機関の取調べに対してどう対応すべきか,助言しました。
捜査機関に思い通りの証拠(調書)を作成させないようにしました。
約20日間の勾留後,不起訴処分となって釈放されました。

 

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