ドーピング違反と刑事罰

2019-09-04

 スポーツにおけるドーピングの防止活動の推進に関する法律案が可決され,昨年より施行されています。スポーツの国際的な大規模大会の日本開催が迫る中,我が国がドーピングの規律についてどのような態度をとるかが注目されます。
 諸外国では,ドーピングが刑事罰の対象となっている国もあります。しかし,上記法案の審議の過程で,日本におけるドーピングの刑事的規制は見送られました。
 ドーピングの刑事的規制に関しては,刑事罰という国家権力を発動してまで守るべき法益があるのか,どこまでを規制の対象とするかなど様々な問題があります。故意にではなく,うっかり体内に禁止物質が入ってしまうような事例も多くあると考えられ,事実認定も簡単ではありません。
 もっとも,組織的にドーピングに関与したり,これを違法ビジネスにする組織が存在するのも事実で,海外でもそうした組織の摘発のために刑事罰が用いられるケースが多いともいわれています。日本でも,さらに刑事的な規制の必要性が生じてくるのかどうか,今後の推移を見守る必要があります。

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