供述の迫真性,具体性の危険性

 刑事裁判で事実が争われると,証人尋問や被告人質問が行われます。
 裁判官や裁判員は,証人や被告人が話している内容が真実なのか誤りなのかを判断しなければなりません。
 しかし,人の話の真偽を判断するのは容易ではありません。
 そこで,客観的証拠との裏付けがあるかどうか,話しが一貫しているか,虚偽供述の動機があるか,などといった事情から判断していくことになります。
 その中で,証人の話の内容それ自体が,迫真的であったり,具体的であるということが信用できる根拠となることがあります。
 一般論としては,曖昧な話しより具体的な話し,他人事のような話しより迫真に迫った話しの方が信用しやすいとはいえます。
 
 しかし,映画やドラマ,演劇,あるいは小説のように,人は自ら体験していないことでも体験したかのように話すことができます。
 ドラマの登場人物を見て感情移入するのは,その人が役者本人ではなく本当に登場人物のように感じるからです
つまりある人が体験しないと語れないような話しをしていても,それを他人が真偽を判定するのは困難なのです。
 
 刑事裁判では間違いがあってはなりません。
 目の前の証人が,具体的,迫真的な話しをしていても,それで信用してしまうことはとても危険なことなのです。

 

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