子供の供述には慎重な検討が必要です

2018-04-12

 刑事裁判で、子供の供述が問題になることがあります。とくに、子供を被害者とする犯罪の疑いがあるときに、この問題は顕著になります。たとえば、誘拐事件、DV,虐待、性犯罪など、児童が被害を受けたと主張される事件などです。
 子供というのは、一見、何らかの利害関係で嘘をついたりすることはないような気がしてしまいますが、実際は逆です。子供の供述の真実性は、極めて慎重に検討しなければいけません。たとえば、子供の供述は、一般に、大人の影響や、その他様々な要因による影響を受けやすいといわれています。そして、実際は、話す内容が真実かどうかというよりも、周りの大人の意向に沿うものかということを重視して、話をしてしまう傾向があるといわれています。子供は、大人の庇護を受けなければならないので、自然と、そういう心理状態になってしまうのです。その結果、子供自身は悪気がないのに、犯罪の被害を受けたという嘘の供述をしてしまうケースがあるのです。
 捜査機関も一応はこうした子供の供述の特性に鑑みて、慎重な捜査をします。子供の供述が問題になる事件では、「司法面接」といって、親の影響などがない状態で捜査機関が子供から事実を聞き取る技術が用いられています。しかし、それでも目の前の子供が真摯に被害を訴えているように見えれば、捜査機関もこれを信用して、容疑者の逮捕に踏み切ります。
 その結果、ありもしない犯罪行為が子供の供述によって生み出されてしまい、果てには有罪判決を受けてしまうという悲劇が起こります。
 当事務所の扱った事件でも、こうした子供の供述によって、無実を訴える依頼人が起訴されてしまった事件がありました。その事件では、起訴後に当事務所の弁護士が弁護を受任し、法廷での弁護活動を行って、無罪の判決を得ました。しかし、一歩間違えれば、裁判官も判断を誤り、依頼人を刑務所に送っていたかもしれません。 子供の供述の信憑性の評価には、極めて慎重な態度が要求されるのです。

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