正当防衛 急迫不正の侵害

2019-12-17

 正当防衛とは,自分の身を守るために相手を攻撃した場合,犯罪は成立せず罰することは出来ません。
 例えば,相手から殴られ(あるいは殴られそうになり),自分の身を守るために反撃として相手を殴って怪我をさせたとしても,傷害罪で有罪にはならない,ということです。

 ただし,相手からやられた,あるいはやられそうだという急迫不正の侵害がなければなりません。

 例えば日頃から相手から暴力を受けていて,いつ殺されてもおかしくないという事情があったとしても,まさに反撃するそのときに,相手から攻撃された(されそうである)という状況がなければなりません。このような状況を刑事裁判では,急迫性がある。
 相手からの攻撃が間近に迫っている必要があるのです。
 
 正当防衛は,本来警察や裁判等により解決しなければならないところを,そのような手段を取っていては自己の生命身体を守ることができない場合のみ,認められる制度だからです。
 
 刑事裁判では,この急迫性を巡って争いになることが珍しくありません。
 例えば相手から殴られて,さらに殴られそうになったと思ったので攻撃したという場合,相手は最初の一発で攻撃の意思がなかったかもしれません(相手の内心は分かりませんから,動作や前後の状況等から攻撃の意思を持っていたかが判断されるでしょう)。
 
 急迫性が認められない場合には,過剰防衛にもならず,犯罪が成立します(常日頃から暴力を受けていたという事情は,量刑で考慮されるでしょう)。

 正当防衛を主張する場合には,まずこの急迫性の要件が満たされる必要があるのです。

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