略式罰金の手続

2019-08-16

刑事裁判は,裁判を受ける被告人が出廷し,公開の法廷で証拠調べが行われて判決が言い渡されるのが原則です。
例外的に,公開の法廷での審理を行わず,被告人も裁判に出廷せずに刑罰を決める略式手続があります。
略式手続で罰金刑になることを,略式罰金といわれたりします。

略式手続を行うかどうかは,検察官が決めて請求するもので,100万円以下の罰金,科料の刑の場合です。
また,刑を受ける本人が略式手続に異議がないと書面で明らかにする必要があります。
ですので,略式手続になる場合は,事前に,検察官から略式手続に異議がない旨の書面作成に応じることを求められます。

逮捕勾留されて起訴された場合,通常は,裁判を受けるために引き続き勾留が続くことになります。
しかし,略式手続で罰金刑になる場合は,引き続き勾留が続くということはなく釈放されます。

検察官が略式手続を請求したら必ず略式罰金になるとは限りません。
略式手続の場合でも,裁判所が,事案が複雑で通常の公判手続において慎重な審理をするのが相当と判断する場合や,100万円以下の罰金,科料の刑以外を科すべきと判断した場合は等は,通常の裁判手続に移行します。

略式手続に異議がない旨の書面作成に応じて略式罰金になった後でも,略式罰金の告知を受けた日の翌日から14日以内であれば,正式裁判を請求して,通常の法廷での裁判を求めることができます。
もっとも,略式手続で略式罰金になっている場合は,取調べにおいて犯罪事実は争わないと自白して供述調書が作成されているものといえます。
裁判において,こうした自分の自白した供述調書の証拠能力や信用性を争うことは困難です。
略式罰金に応じる場合は,後から正式裁判を求めて犯罪成立を争うことが困難であることを踏まえて慎重に判断する必要があります。

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