百日裁判

2020-08-26

 公職選挙法に定める一定の罪について,刑事裁判が行われるときには,公職選挙法253条の2によって100日以内に判決をするよう努めることが規定されています。
 その他,公判審理を一括して定めること,第1回公判は起訴後30日以内,公判期日は7日以内に1回,などが定められています。
 
 公職選挙法による有罪判決は,当選無効となる可能性があり,議員という立場が不安定となることは本人にとっても国民にとっても好ましくないことから,できる限り迅速に裁判を行う必要があることから定められています。
 努力義務なので,結果的に100日を超えることもあります。

 ただし,通常の刑事裁判は,罪を認める量刑事件であれば起訴から1~3ヶ月以内に判決が出ますが,否認事件であれば半年以上かかることが通常で1年を超えるケースも珍しくありません。
 また,この公職選挙法の規定は,刑事訴訟法が改正されて公判前整理手続が導入される前から存在しているもので,現行の否認事件の進行とは若干整合しない規定となっています(公判前整理手続に付されると起訴後30日以内に第1回公判を開くことは困難です)。

 このように,刑事裁判に多大な時間を要することの大きな要因は,捜査機関が収集したた証拠の開示が極めて不十分であることです。
 
本来,検察官と弁護側がフェアに対等な立場で訴訟を行うには,収集した証拠は全てオープンにして情報格差を是正しなければなりません。
 
 もし起訴と同時に全ての証拠を全面的・自動的に弁護側に開示するようになれば,一部の重大事件を除きほとんどの事件で100日裁判が実現できるでしょう。

 
 公職選挙法第二百五十三条の二 
1(公職選挙法の定める一定の罪)に関する刑事事件については、訴訟の判決は、事件を受理した日から百日以内にこれをするように努めなければならない。
2 前項の訴訟については、裁判長は、第一回の公判期日前に、審理に必要と見込まれる公判期日を、次に定めるところにより、一括して定めなければならない。
一 第一回の公判期日は、事件を受理した日から、第一審にあつては三十日以内、控訴審にあつては五十日以内の日を定めること。
二 第二回以降の公判期日は、第一回の公判期日の翌日から起算して七日を経過するごとに、その七日の期間ごとに一回以上となるように定めること。
3 第一項の訴訟については、裁判所は、特別の事情がある場合のほかは、他の訴訟の順序にかかわらず速やかにその裁判をしなければならない。

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