示談の機会は一度きり?

2020-06-09

事実に争いのない事件では,被害者の方との示談が成立するかどうかは非常に重要です。事案の軽重にもよりますが,示談が成立し,被害者の方が処罰を求めていない場合には,検察官は不起訴(起訴猶予)処分を下すことがしばしばあります。

示談の大前提となるのは,真摯な謝罪と適切な被害弁償です。勿論,犯罪被害に遭ったことによる精神的な被害や,生活の変化を金銭に換算することは本来的に不可能です。しかし少しでも被害者の方にご納得いただけるよう,当該事案として適切な弁償をできる限り行うことは重要です。弁護人が警察や検察を通じて被害者の方の連絡先を伺い,直接お会いしてお話しすることが一般的です。

ただ,そもそも被害者の方が弁護人との連絡や接触を望まない場合もあります。警察や検察官を通じて,そのような被害者の意向が弁護人に伝えられることがあります。もともと被疑者と被害者が知り合いだったというような場合を除き,弁護人は被害者の方の連絡先を全く知らないのが通常です。接触すること自体不可能になってしまいます。

この場合も,しばらく時間をおくことによって被害者の方の心境に変化が生じ,お話をすることが可能になることもあります。被害者の方が代理人をつけて,代理人を介した話し合いが可能になることもあります。示談の機会,という表現は適切ではないかもしれませんが,被害者の御意向をうかがうことのできる機会は1度きりではありません。弁護人は粘り強く,時間をおいて再度被害者の意向を確認すべきでしょう。

 

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