再審請求の難しさ

 日本の刑事裁判は三審制(地裁,高裁,最高裁)となっており,最高裁まで上訴して有罪判決が確定すると原則として不服申立は出来ません。
 この確定判決に対して不服を申し立てる手段が再審請求です。
 再審請求は,確定判決に対して無罪を言い渡すべき新たな証拠が発見された場合などに行うことができますが,再審請求が裁判所になされると再審を開始すべきかどうかを裁判所が判断します。

 再審の難しさは,無罪の疑いを生じさせる新しい証拠を見つけ出さなければならないこと,そして,再審請求の段階では国選弁護人は請求出来ないこと,などにあります。
 実刑判決が確定すると各地の刑務所での服役が始まってしまい,弁護士を雇わなければ事実上再審は困難です。しかし再審請求の段階では国選弁護人という制度はなく,お金がなければ雇うことが難しいでしょう。さらに雇うことができたとしても,遠隔地の刑務所の場合も少なくなく,弁護士との打ち合わせ(接見)も簡単ではありません。

 もちろん弁護士を雇って新しい証拠を探しても,再審の壁はとても厚いものがあります。裁判官は法的安定性を重視します。確定判決が簡単に覆ってしまっては,裁判の意味が薄れてしまうので,確定判決に対して一定の信頼性を置いてしまうのです。
 よほど無罪を言い渡すべきことが明らかな証拠でも提出できない限り,事実上再審が開かれることはありません。

 刑事裁判を受けている方は,再審ではなく確定前の裁判に全力を注ぐ必要があります。確定してしまっている人は,再審の壁の厚さを十分に理解した上で取り組む必要があります。

 
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