刑事事件の量刑 AKB48襲撃事件を題材に

 アイドルグループAKB48の握手会に侵入し、メンバーに傷害を負わせた事件について、懲役6年の判決が下されたようです。 

傷害罪での起訴

起訴された罪名は傷害罪などの罪とされています。現段階で、裁判を見ていない私たちは報道からしか判決内容を知ることはできませんが、傷害罪の罪としては、相当に重い刑ではないかと考えられます。傷害罪では、初犯であれば執行猶予になることも多く、懲役の実刑になるとしても、6年もの長期になることは珍しいです。

 何が、刑を重くさせたのでしょうか。

刑事事件の量刑の決まり方

 刑事事件の量刑は、まず、行った犯罪行為の内容でだいたいの大枠が決まります。素手でけがをさせた傷害事件より、凶器を使った傷害事件のほうが重くなります。凶器も、危険なものであればあるほど、重くなります。殴ったのが1回の傷害事件より、ぼこぼこに痛めつけた傷害事件のほうが重くなります。けが人が一人より二人のほうが、当然重くなります。全治1週間のけがを負わせた傷害事件より、全治1か月の骨折をさせてしまった傷害事件のほうが重くなります。このように、同じ傷害事件でも、犯罪行為の内容により刑の重さは違ってきます。

 犯罪行為の内容で決まった大枠の中で、そのほかの事情が考慮されます。たとえば、示談が成立していれば、刑は軽くなります。反省なども軽くする方向で考えられるのが一般です。一方で、AKB48襲撃事件の判決が言っているような、事件が社会に与えた影響も考慮されます。再犯のおそれや、前科なども、刑を重くする要素として考慮されます。犯罪行為の内容が第一次的(メイン)で考慮されることになっているのに対し、犯罪行為以外の要素は副次的(サブ)に考慮される、といわれています。

 このように、刑事事件の量刑は、単なる感覚ではなく、一定の枠組みの中で決められています。今回の事件は、命を奪いかねない凶器を使い、報道によれば被害者は複数、しかも重傷を負ったとされています。このような犯罪行為の内容から重い大枠が決まり、社会的影響などがさらに考慮され、今回の判決になったのではないでしょうか。
 もちろん、それでも今回の判決が重すぎる、軽すぎるという議論はありえます。量刑に納得がいかなければ、被告は控訴するかもしれません。

 当事務所では、量刑が問題になる裁判の弁護に携わるとき、このような量刑の考え方に従って事件を分析し、適切な弁護戦略を構築し、それに基づく活動を行います。当事務所は、否認事件を得意としていますが、量刑事件においても、戦略的な弁護活動を提供します。
 また、事件の量刑がどうなるかといった内容の法律相談も随時受け付けております。裁判になってしまった方からの相談は無料で行っております。こちらもお困りごとがございましたら、ぜひご利用ください。

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