刑事弁護人と協力医

責任能力の争い

被疑者,被告人の方に精神疾患がある場合などでは,責任能力が問題になることがしばしばあります。このようなケースでは,捜査段階に検察官が依頼し実施された鑑定を争うのかどうか,改めて鑑定のやり直しを裁判所に求めるかどうか,それとも鑑定を争わないことを前提に弁護方針を立てるか,といった判断が非常に重要になります。

捜査段階の精神鑑定

そのためには捜査段階で作成された鑑定書を分析します。重要なのが,専門家である医師の協力を得ることです。弁護士は法律の専門家ですが,医学の専門家ではありません。そもそも精神疾患があると言っていいのかかどうか,診断名は正しいのか,事件当時の精神症状が,被告人の判断に及ぼした影響の度合や仕組みはどのようなものだったのかというような点については,弁護士だけでは判断が難しいこともあります。医師の意見を踏まえて初めて,鑑定書を適切に評価することができることがよくあります。

そのためには専門家との人脈を築いておくことだけでなく,普段から医師の意見を聞き,それぞれの専門分野や研究成果などを熟知しておくことがとても重要です。

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