刑事記録の目的外使用の禁止

証拠書類のコピーが手に入る

  刑事裁判で起訴されると,検察官は有罪を立証するために裁判所に証拠書類の取調べを請求します。 
 弁護人は,裁判でどういう主張にするかを検討するためや,その証拠書類について取り調べることに同意するかしないかを決定するために,謄写を受ける(コピー)ことができます。
 通常弁護人が謄写した記録は,さらにコピーを取り被告人に差し入れて検討してもらいます。

証拠書類の目的外使用は刑罰の対象となる

 この刑事記録については,刑事訴訟法で目的外使用の禁止という規定が定められています。

  刑事訴訟法第281条の4
 1 被告人若しくは弁護人(第440条に規定する弁護人を含む。)又はこれらであった者は、検察官において被告事件の審理の準備のために閲覧又は謄写の機会を与えた証拠に係る複製等を、次に掲げる手続又はその準備に使用する目的以外の目的で、人に交付し、又は提示し、若しくは電気通信回線を通じて提供してはならない。
  ① 当該被告事件の審理その他の当該被告事件に係る裁判のための審理 
  ② (略)
 2 前項の規定に違反した場合の措置については、被告人の防御権を踏まえ、複製等の内容、行為の目的及び態様、関係人の名誉、その私生活又は業務の平穏を害されているかどうか、当該複製等に係る証拠が公判期日において取り調べられたものであるかどうか、その取調べの方法その他の事情を考慮するものとする。

裁判の審理のために使用する目的以外の目的で,他人に交付したりすることが禁止されています。目的外使用をすると,懲役1年以下又は50万以下の罰金が科されます(281条の5)

事件に関係する人に記録を検討してもらい調査をする場合などは該当しませんが,裁判の審理と直接関係ない人に交付したり,インターネット上に公開したりすることは場合によって目的外使用に当たるので,注意してください。

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