岐阜での模擬評議研修を傍聴しました

11月28日,29日に岐阜弁護士会が実施した2日間の模擬裁判,模擬評議企画を傍聴しました。

各地での模擬評議企画

本物の弁護士,検察官,裁判官に加え,一般市民の方から選ばれた裁判員役の方が模擬裁判を行い,実務では一切見ることができない評議の様子も,終始見学できるという企画です。東京の三弁護士会が主催する模擬評議企画も毎年行われていますが,岐阜の模擬評議の企画では,実際の法廷を使って模擬裁判が行われており,非常に緊張感・臨場感のあるものでした。弁護人役は高野隆弁護士がつとめました。

今回の模擬評議のテーマは,有罪であることを前提に,刑の重さのみが争点となる事案で,どのような弁護活動が有効か,という点でした。実刑と執行猶予の境界にあるような,介護殺人の事案をもとに模擬裁判が行われました。弁護人役の法廷での尋問や弁論は,非常に説得力のあるものでした。一方で,評議では様々な議論が噴出し,最終的には実刑判決が下されました。

 

裁判官の議論のまとめ方や,量刑評議の枠組みの説明,量刑データベースの使用方法などについては,問題があると感じた場面も多々ありました。一方で,弁護人が意図していないような事実の評価がなされ,あるいは弁護人が重視していた事情があまり注目されないような場面もあり,いかに評議をあらかじめ予測して弁護活動を行うことが難しいか,あらためて実感しました。

今後も,量刑を争う事件特有の弁護活動について研究と実践を進めてまいりたいと思います。

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