弁護人による実験

どんな場合に実験するか

 刑事裁判において,実験が重要になる場合があります。
 いろいろな場面が考えられますが,検察官が「被告人の話はありえない」と言っている場合に実際それが起こりうることを実験によって明らかにしたり,証人が「被告人はこんなことをしていました」というのに対して,実験をしてそんなことはできないことを立証したりするような場面です。人の話や想像というのはどうしても独りよがりになりやすいです。実際にやってみて,できるのか,できないのか。実際やってみたらどうなるのか。それを目で見て確かめることが重要なのです。

実験結果をどのように証拠にするか

 問題は,弁護人がした実験を法廷で証拠に出す方法です。弁護人が実験の報告書を作っても,刑事裁判のルール上,簡単には証拠として採用されません。検察官が証拠採用することに同意しなかった場合,原則として実験の報告書は提出できないことになっています(捜査機関が同様に実験した結果などは報告書を提出できる場合がありますが,不公平な解釈となっています)。
 そうした場合,取りうる手段としては,再現した結果をもとに専門家証人などの証人尋問で立証する,反対尋問で実験の知識を用いる,被告人質問を工夫して明らかにするなどの方法が考えられるでしょう。場合によっては,実験をした弁護人自身が証人となって,実験結果を明らかにするということも考えられます。

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