殺意を否認する

 殺人罪とは,人を殺害する罪ですが,人がなくなった場合に全てが殺人罪になるわけではありません。

殺意があったか

 例えば殺すつもりはなかったけれども,人を殴ってその人が転倒して頭を打ち結果なくなってしまったというような場合は,傷害致死罪という別の犯罪になります。
殺人罪と傷害致死罪とは,殺意があったかなかったかで違いがあるわけです。
 このような殺意のことを法律用語では「故意」といいます。
 刑法では犯罪を処罰するときに故意があることが原則で,故意がないときは過失犯が定められている場合のみ処罰されることになります。

殺意の程度 

 殺意というと,人を殺す意思と考えるのが一般的な常識ですが,その意思の中にも程度があります。
・ あいつを殺してやろう
・ 死ぬかもしれないが構わない
・ 死んで欲しくはない
・ 死ぬようなことになるとは全く思ってなかった
 このように,より強い殺意から,弱い殺意,殺意がない状態まで,人が行動にでる時の精神状態は様々です。
 
 そして,裁判で殺意が争われることがあります。検察官は殺意があったとして殺人罪を主張し,弁護側は殺意がなかったとして傷害致死罪が成立するなどといった具合です。

殺意の判断

 このとき,殺意があったかどうかは内心の問題なので,外部から,つまり事後的に裁判所が判断することは簡単ではありません。
 そこで,事件に至る経緯や,行為態様,被告人の言動等などの事情から判断することいになります。
 例えば,包丁を使って相手の胸を刺したとか,生命保険金目的出会ったなどという場合は,殺意が肯定される事情ですし,逆に凶器は使ってないとか,事故後すぐに119番しているなどという事情がある場合には殺意を否定する事情になるでしょう。

 殺人罪と傷害致死罪では,量刑(判決で下される刑期)も全く異なります。
 
 当事務所では殺人罪や傷害致死罪をはじめとして,裁判員裁判,否認事件に力を入れています。ご相談の方は東京ディフェンダー法律事務所までお問い合わせ下さい。

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