コロナと接見禁止

2020-04-20

 コロナによる感染を防止する目的で,緊急事態宣言が発令された7都府県の拘置所で一般面会が原則禁止されることが法務省から発表されました。
 しかしながら,外部の人と面会する権利は,逮捕勾留された人にとって最も重要な権利の1つです。
 権利というと特別に認められるかのように聞こえるかもしれませんが,人は誰かと会い話しをする基本的な自由があります。それは逮捕勾留されたとしても変わりません。
 面会を禁止しなければならない特別の事情(証拠隠滅の謀議をする可能性が高いなど)がある場合に限り,制限できるのです。
 刑事裁判は時に長期間かかります。家族や仕事関係,知人友人と面会できなければ,とても孤独です。裁判を闘い続ける気力は簡単に奪われてしまうでしょう。
 
 コロナは確かに恐ろしい病気で感染拡大を防ぐことは大事ですが,だからといって人の自由を強制的に奪うことが許されるのかは慎重に判断しなければなりません。
特に人の自由を制限するには法律に基づくものでなければなりません。国家権力が恣意的に自由に人の自由を制限することはできません。
 しかし,今回のような緊急事態はもともと法律が予定したものではありませんでした。
 そのため,法務省は国有財産法という別の法律を根拠とするとしていますが,そのような権利行使は,結局法律を恣意的に濫用しているのと変わりません。
 目的が正当なら許されるというのは法律の世界では最もしてはいけない態度でしょう。
 一般の人に対しては外出自粛などが要請されていますが強制力はありません。拘置所に面会に来る人に対して面会自粛を求めるならいいですが,それを超えて強制的に面会を禁止してしまうのは,逮捕勾留された人にはそれくらいしてもいい,という考えがあるのだとすれば,大きな誤りです。

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