専門家証人と通常の証人の違い

2018-12-07

 裁判では,専門家証人の話を聞く必要のある事件があります。
 専門家,たとえば医師や科学者などは,通常の証人とは違います。通常の証人は,例えば目撃者であれば目撃した様子を,被害者とされている人であれば被害に遭った状況を,証言しに来ます。彼らは,自分が体験した事実を語りに法廷に来るのです。
 一方で,医師や科学者などの専門家は,自分の専門的な意見を話しに来ます。もちろん事件に関係する意見ですが,事件を離れた一般的な知識などについても話します。

 こうした特色を持つ専門家証人の攻略には多くの技術が必要です。
 まず,弁護人自身もできる限り専門的知識を身に着ける必要があります。法医学鑑定,精神鑑定,DNA鑑定などは,熟練した刑事弁護士であれば比較的身近な問題として理解していますが,時には特殊な病名が問題になったり,全くなじみのない専門的分野の知識が問題になることもあります。
 専門的知識を見につけるといっても,それで専門家証人と議論するのは厳禁です。専門の議論をしたら専門家には負けるに決まっているからです。専門的知識を生かして,議論になることなく,裁判の争点との関係で有利に獲得できる事実を尋問するという技術が必要です。
 そして,もし反対尋問によって専門家証人を攻略することが難しいと考えられる場合,弁護側でも協力してもらえる専門家にアクセスし,意見を証言してもらうという試みも重要です。

 このように,専門家証人が出廷する刑事事件の弁護活動は,簡単なものではありません。熟練した刑事弁護の技術が必要です。

Copyright(c) 2018 東京ディフェンダー法律事務所 All Rights Reserved.