接見禁止と人質司法

2019-04-25

 犯罪を犯したと疑われ逮捕された人に対して,検察かが接見禁止を付すよう裁判所に求めることがあります。
 裁判所がこれを認めて接見禁止が付されると,逮捕された人は弁護士以外と面会することも手紙をやり取りすることもできなくなります。
 接見禁止は,起訴された後も検察官が再び請求して付されることも珍しくありません。

刑事訴訟法第81条
 裁判所は、逃亡し又は罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるときは、検察官の請求により又は職権で、勾留されている被告人と第39条第1項に規定する者以外の者との接見を禁じ、又はこれと授受すべき書類その他の物を検閲し、その授受を禁じ、若しくはこれを差し押えることができる。但し、糧食の授受を禁じ、又はこれを差し押えることはできない。

接見禁止が証拠隠滅や逃亡の防止のためですから,否認事件や共犯事件,組織的な事件などで請求されることが多いです。
 現在の警察署や留置施設から逃亡することということは極めて特殊(押送時など)ですから,面会や手紙をやり取りすることを禁止するのは主として証拠隠滅の防止にあります。

 しかし,逮捕された人にとって,家族に会えない,仕事先の人と会えない,という状態は心理的に強い不安をもたらします。
 突然逮捕され家族の生活は大丈夫だろうか,仕事先に迷惑をかけていないだろうか,そう思います。
 一目顔を見て話しができるかどうかは,裁判を闘おうという意思を持ち継続していく上でとても大事なことです。
 家族や仕事が心配で,そのために裁判を早く終わらせたい,やってないけど認めて早く終わらそうか,と考えることは決して珍しくないのです。
 このような意味で,逮捕された人が保釈されないことが人質司法の典型ですが,保釈だけではなく接見禁止も,人質司法の中核をなす処分なのです。

 そもそも,家族や仕事先関係など弁護士以外の人の面会は,必ず留置の人が立会います。手紙の送付も中身をチェックされます。
 このような状態で,「あの証拠を隠してくれ」等と言えるはずはありません。
 接見禁止を付さなければならない事件というのは本来限られているはずなので,現状ではかなり幅広く検察官が請求し,裁判所が認めることがほとんです。
 
 人質司法を改革していくためには,接見禁止の運用のあり方も見直す必要があります。

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