略式手続と正式裁判請求

2019-07-24

略式手続(刑事訴訟法第461条以下)とは,実際に法廷で公判を開くことなく,刑を定める手続きです。100万円以下の罰金または科料といった刑を科す場合にのみ用いられます。実務では,事案は軽微であるけども,示談が出来ていないなど,起訴猶予処分には至らない事情があるときにしばしば用いられます。略式とはいえ,罰金刑に課されることに変わりはありませんから,検察官の請求に従ってくだされた略式命令に対して何もしなければ,罰金刑の前科がつくことになります。一方で,実際に法廷に出廷する必要がありませんし,短期で終結することから,正式な公判請求がなされるよりは被疑者に有利な面があります。

 

もっとも,一度は罰金刑にしたがおうと考えたとしても,あとから有利な証拠がでてきたり,あるいは処分の納得が出来なくなったという場合もあり得ます。そのような場合に備えて,法は略式命令を下された者に対して,裁判で事実を争う機会を与えています。それが正式裁判請求です(465条1項)。略式手続によることについて異議がないという書面に署名捺印をした後であっても,正式裁判請求をすれば,略式命令に従うことなく,公判廷で事実を明らかにするよう求めることができます。

注意しなければならないが,正式裁判請求ができる期間が限られているということです。略式命令を受けた者は,その告知を受けた日から14日以内に正式裁判の請求をしなければなりません(465条1項)。この期間が過ぎてしまうと正式裁判請求はできなくなってしまいます。

略式命令を受けたが,処分に納得できない,という方は,上記の期間を過ぎることがないよう,お早めにご相談ください。

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