罰金刑を科す略式手続

2018-08-21

刑事裁判において有罪として刑罰が科される場合,公開の法廷における公判での審理が行われた上で判決が言い渡されるのが原則です。
これに対して,公判での審理を行わずに罰金刑が科される場合があります。
略式手続という手続です。
略式手続は,100万円以下の罰金刑,または1万円未満の金員を支払わせる科料という刑を科す場合に認められる続きです。懲役刑,禁固刑や100万円を超える罰金刑が科される場合には,略式手続は認められられません。

略式手続により罰金,科料の刑罰を科す決定を略式命令といいます。
逮捕,勾留されていて略式手続がとられる場合は,勾留満期などの釈放される日に略式手続がとられ,即日,略式命令が出され,本人も検察庁から裁判所に連れて行かれて略式命令の謄本の交付を受けるというのが通常です。

略式手続が行われるためには,本人が略式手続を行うことについて異議がない旨を書面で明らかにする必要があります。
このため,検察官が略式手続を考えている場合は,事前に検察官による取調べ等においてこうした異議がない旨の書面の作成を求められることになります。

検察官が略式命令を求めても,刑罰を科すことを決定するのは裁判所です。
事案が複雑で公判手続による通常の審理が相当と認めるとき,100万円以下の罰金刑,科料以外の刑を科すべきと認めたときなど,裁判所が略式命令をすることが相当でないと判断した場合は,通常の裁判で審理がなされます。

略式命令を受けた場合でも,その告知を受けた日から14日以内であれば正式裁判の請求をすることができます。
もっとも,検察官が略式命令を求める場合は,本人が異議がない旨の書面を作成している場合であり,取調べでも罪を認めてその旨の供述調書等が作成されている場合が通常です。
そして,罪を認める旨の供述調書が作成されている場合,その証拠能力や信用性を裁判で争うのは非常に困難です。
略式命令を受けても正式裁判を請求できるとして安易に罪を認めることは危険で注意が必要です。

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