共謀罪の施行

 本日から共謀罪(組織犯罪処罰法の改正)が施行されます。
 共謀罪の成立を巡る国会のあり方や,共謀罪の内容そのものにも問題はありますが,実務家である弁護士としては,現に法律が改正され施行されたとなると,現実の事件で捜査がいかに行われるか,どのようにこの法律が適用されていくのかを検討していかなくてはなりません。

 今回の法律の特徴は,現実に犯罪を起こさなくてもその計画準備段階の行為を処罰するものです。
 
 実際にあるグループが犯罪を起こしたとすれば,それは共謀罪ではなく,これまである刑法等により摘発されることになるでしょう。
 また,計画や準備段階に関わっただけの人であっても,そもそも起こした犯罪について意思を通じ合っていたとすれば共同正犯で逮捕されることもあります。
 今回成立した共謀罪が適用されることが想定されるのは,
   ① (実行犯らが犯罪を起こしたが)計画準備段階だけに関わり共同正犯や幇助犯ともいえない人のケース
   ② 犯罪を起こす前の準備段階だけで摘発されるケース
の2つのパターンがあるのではないかと思います。
 
 いすれの場合でも,実行を計画立案し準備行為をしていた人の場合もあれば,関わりが薄い人も対象となりうるでしょう。
  
 計画や準備行為だけに関わっていた場合,その関わりを示す客観的証拠が少ないと,捜査機関は,無理矢理誰かに口を割らせる,あるいは本人に自白を迫るという捜査手法にでることが予想されます。

 このような不当な捜査を防ぐためには,共謀罪を適用する捜査において被疑者らを取調べる際には,取調べの録画・録音が不可欠というべきです。
 
    

 
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