共謀罪の危険性

共謀罪は異質である

 政府は共謀罪を国会に提出して立法を検討しているようです。
 この共謀罪は,過去にも度々法案が提出されては廃案になってきた経緯があります。
 それは共謀罪が私たち市民の生活,自由を脅かす可能性が大きいからです。

 我が国では刑法をはじめてとして犯罪行為が規定されています。
 犯罪を共謀しただけのものも処罰されることがありますが,それは実行犯が現実に犯罪を実行した場合が原則です。 
 
 共謀とは,犯罪を行う意思を通じ合うことです。通常は何らかの犯罪を実行することを話し合うことを意味します。
 単に話し合っただけでは,処罰されないのが原則なのです。

どんな危険があるか

 もし共謀罪を認めることになれば,話し合っただけで逮捕される,処罰されるということになります(政府が提出しようとしている立法には準備行為が必要とされていますが,その概念も曖昧です)。
 
 自分は犯罪など起こすつもりもなく、話し合いなどしないから関係ないと思ってはいけません。
 捜査機関は嫌疑があれば逮捕や訴追をすることができます。
 例えば,どこかで何人かが集まって,そのうちの何人かが犯罪について話し合っていたとして,ただそこに同席していただけで,一緒に話し合いに加わった疑いをかけられるかもしれないということです。
  
 また,実行行為を前提としないために,犯罪の痕跡が残りにくく,人の供述に頼った捜査が行われがちです。
 人の供述に頼った捜査は,虚偽の自白を生んだり、不当な取調べによって供述が作られてしまったりする危険を大きく孕みます。

 法律を制定するときには,立法担当者は,法案は限定的で不当に国民の自由を制約するものではない,などと説明しますが,ひとたび法律が制定されると法律が一人歩きし適用範囲が拡大していく懸念もあります。

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