万引きのつもりが事後強盗になるケース
万引きをしようと思っただけなのに,強盗罪になってしまうことがあります。
いわゆる万引きはそれだけなら窃盗罪です。
しかし日本の刑法には,強盗罪の1つの類型として事後強盗罪という犯罪があります(刑法238条)。事後強盗罪がどのような場合かというと,窃盗した者(しようとした者)が
・ 逮捕を免れるため
・ 盗んだものの取り返しを防ぐため
・ 証拠を隠滅するため
などのために暴行又は脅迫行為を行った場合に,強盗罪として処罰するというものです。
たとえば,万引きしたところを店員に見つかり捕まえられそうになったので,相手を突き飛ばして逃げた,などという場合です。
最初の計画では見つからずに万引きしようと考えていただけで,強盗などしようと思っていなくても,見つかって動揺して暴力を振るってしまったら,強盗罪になってしまうのです。
強盗罪は格段に重い
窃盗と強盗では罪の重さがかなり違います。強盗の方が遙かに重い刑罰です。
もし暴行をふるって,相手に怪我させたような場合はさらに強盗致傷というさらに重い罪になります。
事後強盗でも初犯であったり,示談が成立すれば起訴猶予や執行猶予などになる場合もあります。他方で相手に怪我をさせてしまい強盗致傷という罪名になってしまうと,怪我の程度によりますが実刑の可能性も高くなります。
事後強盗で逮捕されてしまったときには,捜査段階から弁護人を選任して弁護活動をすることをお勧めします。