不告不理の原則

2019-10-03

 刑事裁判は,検察官が起訴(公訴提起)をした事実について,審理をします。
 逆に,検察官が起訴していない犯罪について有罪の判決をしたり,審理をすることは原則許されません。
 このような原則を不告不理の原則といいます。

刑事訴訟法では,第1審に対する控訴理由として,それが表れています。
  第378条 
    左の事由があることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、訴訟記録及び原裁判所において取り調べた証拠に現われている事実であつてその事由があることを信ずるに足りるものを援用しなければならない。
   3 審判の請求を受けた事件について判決をせず、又は審判の請求を受けない事件について判決をしたこと。

 起訴は,検察官が行うものですが,逮捕容疑とは異なる罪で起訴したり(例えば,殺人で逮捕されたものの傷害致死で起訴するなど),複数の事件が疑われたものの1件しか起訴しなかった(3件の窃盗が疑われたが1件のみで起訴,殺人,死体遺棄で逮捕したものの死体遺棄のみで起訴,など)などということは珍しくありません。

 特に重大事件ともなれば,マスコミが報道するなどして,起訴した事件以外の被告人の過去の行状や,逮捕して起訴できなかった事件を報道するということもあるでしょう。
 しかしそのような場合も,起訴した事件以外を審理することは許させません。

 刑事裁判では,無罪の推定が働いています。起訴して有罪の判決を受けてはじめて,罪を犯したという判断ができます。従って,起訴もされてない事件は,無罪の推定が働きますので,その事件を起こしたということにもならないのです。

 

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