本日,当事務所も運営に関わる刑事弁護フォーラムにおいて,アメリカのデトロイトのパブリックディフェンダー(公設弁護士事務所)に勤務する弁護士をお招きし,セミナーを実施しました。
当事務所の弁護士も,セミナーに参加させていただきました。
講師の米国弁護士は,アメリカにおける刑事司法上の問題として,金銭保釈の問題,死刑制度廃止に向けた取り組み,科学と法について講義がありました。
日本では当然に行われている「保釈保証金」の制度ですが,アメリカではこれを問題視し,廃止する動きがあるようです。お金がないことを理由に,釈放されるべき人が釈放されないのは平等ではない,という意識が働いています。
死刑制度は州ごとに異なりますが,少しずつ,廃止したり,執行を停止したりという州が出てきています。死刑存置国というイメージの強いアメリカですが,弁護士たちの取り組みもあり,死刑廃止に向けて少しずつ歩みを進めています。
科学と法の問題については,いわゆる乳幼児揺さぶられっこ症候群に関する医学的議論の深まりについて語られました。これは近時日本でも話題になっているトピックですが,アメリカではすでに相当の研究が進んでいるようです。
また,主張書面を書くために3日間のワークショップを開催しているという話や,有罪無罪だけではない依頼人のための包括的弁護活動の取り組みなどについても,話されました。
もちろんアメリカにはアメリカの司法制度上の問題があるのだろうとは思いますが,今日トピックに上がった事項は,日本より議論が進んでいるなあと感じさせるものばかりでした。
日米の弁護活動についてのディスカッションも行われ,素晴らしい文化的な交流であったとともに,私たちの明日からの弁護活動にも十分に生かせるセミナーとなりました。

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