手錠腰縄について

 先日,刑事裁判で手錠腰縄をされたことが違法であるとして訴えた事件で,裁判所は手錠姿を見られない権利が法的保護に値するという判決を出しました。
刑事裁判で,身体を拘束されている被疑者被告人は,留置場や拘置所の部屋から出て移検察庁や裁判所に移動する際,逃亡の防止等のために手には手錠をされ,腰に縄を巻かれて,警察ないし拘置所職員に連行されます。
 検察官による取調時や,裁判の間は手錠腰縄を解かれます。
 ただ,公開の法廷で裁判を行う際,現在は, 
① 被告人が入廷傍聴人の入廷 
② 裁判官が入廷
③ 被告人の手錠腰縄を解く
(裁判)
④ 被告人に手錠腰縄をする
⑤ 傍聴人退廷
⑥ 被告人退廷,裁判官退廷
 という流れです。
 従って,被告人が手錠腰縄をされている姿を,傍聴人に見られますし,もちろん裁判官も見ます。

 しかしながら,手錠腰縄姿というのは,誰しも他人に見られたくありません。
 傍聴には他人だけではなく,家族(妻,親,子ども),友人なども来ることは珍しくありません。

 また,これから裁判を受けようとする人の手錠腰縄姿を判断者である裁判官が見るのも大きな問題です。
 手錠腰縄姿を見れば無意識にでも,(普通とは違う人)(何か悪いことをした人)というイメージはぬぐいきれません。
 そもそも被告人には無罪の推定が保障されています。
 一般市民とできる限り同じ状態で裁判を受けられるべきです。
 裁判員裁判では,裁判員の入廷前に手錠腰縄を解くという運用をしていますが,全ての刑事裁判で,手錠腰縄姿を傍聴人にも判断者に見られないように変えていくべきだと思い

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