私選弁護人と国選弁護人の併存

 刑事裁判において,被告人はいつでも私選弁護人を雇って選任することができます。
そして私選弁護人が選任されない時は,原則として,裁判所は国選弁護人を選任しなければなりません。
 
 ○ 刑事訴訟法第30条1項
    被告人又は被疑者は、何時でも弁護人を選任することができる。

 ○刑事訴訟法第36条 
    被告人が貧困その他の事由により弁護人を選任することができないときは、裁判所は、その請求により、被告人のため弁護人を附しなければならない。但し、被告人以外の者が選任した弁護人がある場合は、この限りでない。

  従って,私選弁護人が選任されている状態では,国選弁護人が選任されることはありません。
  他方で,国選弁護人が選任されていても,私選弁護人はいつでも選任可能です。
  国選弁護人が選任された状態で,私選弁護人が選任されると,基本的には国選弁護人は解任となり,私選弁護人のみで裁判を行うことになります。

  しかし,選任と解任を繰り返すような場合,あるいは事案が極めて複雑で複数弁護人がいないと継続した公判審理が見込めない場合など,例外的に私選弁護人が選任されても国選弁護人が解任されないケースもあります。

  被告人が私選弁護人,国選弁護人いずれとも信頼関係が構築し,かつ弁護人同士で意思疎通が図れていれば問題ないのですが,私選弁護人とは相談するけれども,国選弁護人には協力しない,という場合もあり,そのような場合,国選弁護人はとても困難な立場になります。
  私選が選任されている間は,その私選弁護人が主任弁護人として活動するのが普通でしょうが,もし私選が辞任などすれば,突然主任として弁護活動をしなければならなくなるのです。

 

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