強制的に体から尿を採る手段
薬物使用が疑われる被疑者に対し,警察官が強制採尿令状を取得することがあります。
一般に薬物を使用すると一定期間は尿中から薬物の代謝物が検出されるため,その人が薬物を使用したことを裏付けるために,捜査期間は尿を差押えようとします。
尿は体内にあり,任意に出さない限り,押収することができませんので,任意採尿を拒む被疑者に対して強制採尿令状を取得し,医者が尿道にカテーテルを挿入し尿を強制的に採取するのです。
強制採尿は,意思に反しても行うことができますので強制処分の一種で,裁判所が発付する令状によらなければすることができません。
警察官は,薬物使用が疑われることを根拠に裁判所に強制採尿令状を請求するのです。
強制採尿令状が発布される場合
本来は,裁判所が本当に薬物使用の疑いがあるのか,その疑いの程度を吟味しなければならないのですが,現実には,警察官が警らしていて,フラフラしていたとか,顔色が悪かったという程度の理由で職務質問を開始し,任意の尿の提出を拒んだというだけで,簡単に強制採尿令状は発付されてしまいます。
なお,強制採尿令状が発付されたあとも,任意で尿を提出すれば強制採尿を受けなくて済むことも多いでしょう。
差し押さえられた尿は,科捜研などに鑑定に回され,違法薬物成分の有無などが検査されることになります。

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