強制性交罪 刑法の一部改正

刑法の改正内容

 

 性犯罪を処罰する刑法の規定が一部改正され,7月13日から施行されました。

 ① 強姦罪から強制性交罪への変更

  
刑法ではもともと暴行,脅迫を用いて,女子を姦淫した場合に強姦罪が成立するとされていました。
これが,「強制性交等」(性交,肛門性交又は口腔性交)に変わります。従来は強制わいせつ罪とされていた行為が強制性交罪として処罰されることになりました。
また,これまでは被害者は女性に限られていましたが,性別は問われないことになります。

 ② 非親告罪への変更

   
もともとは強姦罪,強制わいせつ罪などについては,被害者の告訴がなければ起訴できない親告罪とされていました。
親告罪規定が廃止され,告訴が無くとも起訴ができることになりました。
なお,改正法施行前の事件にも適用されることになります。

 ③ 監護者による性犯罪の規定の新設

   
今回の改正で新たな罪である「監護者わいせつ罪」「監護者性交等罪」が新設されました。
18歳未満の者に対し,その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつ行為をした者や性交等をした者が処罰されます。
この罪は,通常の強制わいせつや強制性交罪と異なり,暴行脅迫が要件となっていません。

 

 ④ 法定刑の引き上げ

強姦罪は3年以上の有期懲役 → 強制性交等罪は5年以上の有期懲役
強姦致死傷罪は無期又は5年以上 → 強制性交等致死傷罪は無期又は6年以上

また,強盗犯が強姦をした場合も強姦犯が強盗をした場合も同じく強盗・強制性交等罪(無期又は7年以上)として処罰されることになります。
法定刑の引き上げに伴い集団強姦罪,集団強姦致死傷罪は廃止されます。

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