裁判員裁判における裁判官の数

 裁判員裁判が開かれると,裁判官3人裁判員6人(+補充裁判員若干名)で審理されています。
 もともと刑事裁判では,単独事件(裁判官1人)と合議事件(裁判官3名)というものに分かれており,重大事件では裁判官3名による合議体により審理されてきました。
 裁判員裁判は一定の重大犯罪が対象ですから,原則は裁判官3名,裁判員6名とされているのです。
  
 ただし,法律は,以下の様に定めています。

 裁判員法2条3項
   第1項の規定により同項の合議体で取り扱うべき事件(以下「対象事件」という。)のうち、公判前整理手続による争点及び証拠の整理において公訴事実について争いがないと認められ、事件の内容その他の事情を考慮して適当と認められるものについては、裁判所は、裁判官一人及び裁判員四人から成る合議体を構成して審理及び裁判をする旨の決定をすることができる。

 起訴された事件に争いがなく,判断すべきことが量刑である事件では,裁判官1名,裁判員4名による審理が可能なのです。

 しかし,裁判員裁判がスタートしてただの1度もこの1+4という構成で裁判が行われたことがありません。
 
 裁判員裁判の審理の予定が裁判所の都合で入らなかったりすると,この5名体制で審理してくれと申し出てみても,認められません。
 1対4だと裁判官がイニシアチブを取りにくいからではないかと批判する人もいます。

 しかし,コロナ禍の中密を避けるという意味でも,評議をする人数を少なくするためにも,1+4の裁判員裁判も開かれてよいと思います。
   

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