捜索押収と立会

 警察官が犯罪捜査のために,捜索差押え(いわゆるガサ)を行うことがあります。
 ガサが入るのタイミングは様々あります。まだ犯罪の容疑はあるが逮捕するに至らない段階でガサに入ることもあれば,逮捕状を裁判所に取得し逮捕に伴う捜索押収をする場合もあります。逮捕後にさらなる捜査のためにガサに入ることもあります。

 捜索押収は,人の住居等に強制的に行うものなので,裁判所の令状が必要です。そして,犯罪捜査規範では,令状を処分を受ける者(通常は被疑者もしくは被疑者が居住する場所の居住者)に対し令状を示さなければならないとされています。
 もし捜索押収時に不在である場合などは,賃貸アパートであれば管理人や隣人を立会人として執行することも認められています。

○ 犯罪捜査規範
  第141条 令状により捜索、差押え、記録命令付差押え、検証又は身体検査を行うに当たつては、当該処分を受ける者に対して、令状を示さなければならない。
  2 やむを得ない理由によつて、当該処分を受ける者に令状を示すことができないときは、立会人に対してこれを示すようにしなければならない。
  第143条 公務所内で捜索、差押え、記録命令付差押え又は検証を行うに当たつては、その長又はこれに代わるべき者に通知してこれに立ち会わせなければならない。
  2 前項の規定による場合を除いて、人の住居又は人の看守する邸宅、建造物若しくは船舶内で捜索、差押え、記録命令付差押え又は検証を行うに当たつては、住居主若しくは看守者又はこれらの者に代わるべき者を立ち会わせなければならない。これらの者を立ち会わせることができないときは、隣人又は地方公共団体の職員を立ち会わせなければならない。ただし、刑訴法第二百二十条の規定により被疑者を捜索する場合において急速を要するときは、この限りでない。
 
 逮捕前の捜索押収はもちろん予告なく警察官が突然やってくることが通常です。薬物事犯などでは,逮捕状を取得した上で,ガサを行い現場で違法薬物を発見した場合,逮捕状による逮捕ではなく,所持の現行犯逮捕することも珍しくありません。そうすれば,取得した逮捕状で,再逮捕もできるからです。

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