逮捕・勾留された 早期の釈放を目指す弁護活動

犯罪を犯したことを疑われて逮捕された後,さらに勾留という身体拘束を受けて取調べなどの捜査を受ける可能性があります。

逮捕・勾留の期間

警察が逮捕した場合,2日以内に送検を行い,送検を受けた検察官は裁判官に勾留を求める場合は1日以内に請求をしなければならないとされています。
裁判官が勾留を認める場合,勾留期間は10日間です。
もっとも,勾留期間の延長も可能で,最大20日間の勾留を受けて取調べなどの捜査を受ける可能性があります。

裁判官の勾留請求に対する判断

裁判官が10日間の勾留を認めるかどうかを判断するにあたって,特に罪証隠滅をするおそれがあるか,逃亡をするおそれがあるかが問題となります。
そして,勾留の必要性があるかを判断します。

罪証隠滅をする行為としては,文字通りの証拠を隠したり消滅させたりする行為だけに限りません。
事件の被害者,共犯者,目撃者など,証人となるような人に対して働きかけて証言内容を変えさせるといったことも,罪証隠滅をするおそれがあるとして問題となります。

逃亡するおそれがあるかは,生活状態が不安定で所在不明となったり,処罰を免れようとして所在不明となったりする等の可能性があるかということが問題となります。

勾留の必要性があるかは,勾留することによって得られる利益と,勾留することによって被る不利益とを比較衡量して判断するとされています。

早期釈放のための弁護活動

逮捕された後,早期に釈放されるようにするための弁護活動としては,まず検察官に対して勾留請求しないよう働きかけます。
検察官が勾留請求を行った場合は,勾留を判断する裁判官に対して勾留を認めないよう働きかけます。
裁判官が勾留を認めた場合は,準抗告という不服申立てを行います。

検察官が裁判官に勾留請求をするにあたっては,勾留の理由が存在することを認めるべき資料を提出するということになっています。
警察官,検察官が収集した証拠資料が提出されます。

逮捕から検察官が勾留請求をするまでは3日程度と短時間です。
また,警察官,検察官が犯罪捜査において収集した証拠資料です。
勾留請求を受けるご本人にとって,有利な事情や勾留によって多大な不利益を被る事情などについては,収集されておらず証拠資料として提出されていないことが考えられます。

釈放のための弁護活動としては,このようなご本人にとって有利な事情や多大な不利益を被る事情などについて明らかにし,弁護人から証拠資料として提出することが重要です。

実際の弁護活動例

東京ディフェンダー法律事務所の弁護士が弁護を行って,実際に保釈請求が却下されたり準抗告が認めたりした弁護活動をもとに,早期に釈放されるためにどのような弁護活動が考えられるか,その具体的な一例です。

1.罪証隠滅のおそれ

勾留が認められるかで問題となる罪証隠滅行為としては,被害者などの証人となるような人に対して働きかけを行うかどうかということが問題となります。
弁護活動としては,弁護士に被害者と被害弁償や示談を依頼して成立させたり,その成立が見込まれるようすることが考えられます。
このように示談が成立したり成立が見込まれることで,被害者に対して働きかけを行う実益がなく,これを行おうとする動機がないといえます。
また,被害者などに働きかけを行う接触可能性がないといえるよう,被害者や被害現場などの関係先について,処分が決まるまでは利用しないようしたり,通勤等で利用していた交通機関であった場合は,別の経路を利用するようしたりすることが考えられます。

2.逃亡のおそれ

逃亡のおそれに対しては,家族や仕事がある場合は,家族との生活や仕事を捨てて逃亡することは考えられないといえます。
家族や仕事先から身元引受書の作成を受けて提出することが考えられます。

3.勾留の必要性

罪名が重い重大事件の場合は,勾留の必要性が認められてしまうことが多いといえます。
もっとも,例えば強盗,強盗致傷などの重い罪の罪名の事件であっても,お酒に酔って相手とトラブルになって事件に至ってしまった場合などは,そもそも強盗とはいえないことや悪質性が高くなく,勾留によって得られる利益が大きいとはいえないと主張することが考えられます。

また,勾留が認められて身体拘束が続くことで,学校に行けなくなったり退学処分のおそれがあったりすることや,仕事に行けなくなることで職を失ったり,他に変われる人がいない仕事内容で損失が大きいといえる場合は,勾留により被る不利益が大きく,勾留の必要性がないといえます。

その他にも,勾留によって被る不利益が大きいという事情を具体的に明らかにする書面作成や資料収集を行って,証拠資料として提出することが考えられます。

早期に釈放されるようするための弁護活動として,事案,問題となる事情や警察官・検察官の証拠収集状況を十分に把握した上で,弁護士の方からも積極的に証拠収集を行って提出することが重要です。

 

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